カテーテル関連血流感染症(主に黄色ブドウ球菌)

2017GLや各種書籍等読んでのまとめ。

①診断

末梢から2セットの血培を採取。カテから1セット取ってもよい。カテ先培養は先端5cmを提出。

②疫学

コアグラーゼ陰性ブドウ球菌・黄色ブドウ球菌が60-90%を占める。

③治療

エンピリカルにはVCM、不安定な場合GNRカバーでCFPMも加える。

④起因菌判明後(黄色ブドウ球菌だった場合)

 メチシリン感受性(MSSA)…セファゾリン2g8時間ごと

 メチシリン耐性(MRSA)…バンコマイシン15mg/kg 12時間ごと

・治療期間(黄色ブドウ球菌の場合)

治療期間は、血液培養が陰性化した日からカウントする。

黄色ブドウ球菌によるCRBSIの場合、カテーテルを抜去し、適切な抗菌薬を投与しても72時間以上 菌血症もしくは発熱が続く場合には、心内膜炎の検索を行う。

血管内異物、心内膜炎、化膿性血栓性静脈炎がなく、血流感染と発熱が72時間以内に改善、活動性悪性腫瘍や免疫不全がない

→カテーテルを抜去、血培陰性から14日間の抗菌薬全身投与

上記に当てはまらない(複雑性)場合

→カテーテルを抜去、血培陰性から4~6週間の抗菌薬全身投与、骨髄炎をきたした場合には6~8週投与

⑤血培再検のタイミング

とある有名研修病院では48~72時間後の再検。黄色ブドウ球菌やカンジダ血症でない場合は、血培再検は必須ではない。

感染性心内膜炎などの血管内感染巣がないのに、適切な抗菌薬加療開始から72時間以上経過して血液培養陽性が持続する場合は、化膿性血栓性静脈炎を疑うべきである。化膿性血栓性静脈炎の診断には、血培陽性かつ画像(CT、エコー)で血栓が証明されることが必要である。

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