①概念
高流量（30-60L/分）で高濃度酸素投与が可能な鼻カニュラ。近年、本邦においても臨床で広く使われるようになった。高流量だが加湿が十分になされているため鼻が痛くなることはなく、精度の高いFiO2を維持できる。経鼻カニュラなので装着した状態で食事や会話、口腔ケアが可能である。
②構成要素
(1)鼻カニュラ（Optiflow™）
流量が多いので、通常の鼻カニュラより太い。少し重いのでネックストラップを装着する。
(2)加温加湿器、蛇管
加温加湿器と鼻カニュラを接続する蛇管に結露を防ぐために加温装置がついている。
(3)酸素と空気を混合するブレンダーと、酸素濃度計
病室に配管した圧縮空気と高圧酸素の両方を混合する専用のブレンダーを用いる。21%から100%までの濃度の酸素を供給することができる。
③利点
(1)死腔換気率を減少させ、酸素化を改善する。
(2)精度の高いFiO2
高流量の高濃度酸素投与および死腔の洗い流しにより、精度の高いFiO2を実現できる。
(3)軽度のPEEP（Positive end expiratory pressure）様効果がかかる
健常人では口を閉じた状態で、酸素流量を30、40、50L/min にすると気道内圧は 1.93±1.25 cmH2O、2.58±1.54 cmH2O、3.31±1.05 cmH2Oと上昇し、流量が多いほど気道内圧は上昇する。
(4)QOLの維持
高濃度酸素投与しながら食事が可能である。
(5)粘膜繊毛クリアランスの最適化
④適応は？
最も良い適応…自発呼吸があって、CO2ナルコーシスでない。NIV(マスク人工呼吸)・挿管までは必要ない。そんな患者。
