B-TACE

Balloon occluded trans arterial chemo embolization: B-TACE

①しくみ

肝細胞は動脈・門脈による二重血管支配を受けている。さらに第三の血液供給路して、胆道周囲の血管叢(peribiliary vascular plexus)がある。この血管叢は肝動脈との間に多くの吻合を有しており、肝動脈が閉塞したときの側副血行路として機能している。

マイクロバルーンで肝動脈を閉塞させると、末梢側の動脈圧は低下するものの、前述の血管叢や肝動脈間の側副血行路があるため、動脈血流は完全には遮断されない。動脈圧が低下し圧勾配が変化するため、その状態で薬剤を注入すると、薬剤が門脈へ流入せずに、血管抵抗の少ない腫瘍内へ優先的に流入し、腫瘍への薬剤集積が向上すると考えられている。

また、正常肝組織への薬剤流入が減少するため、肝機能への影響が少なくなると報告されている。腫瘍やや手前の領域から複数の腫瘍血管を一度に治療できるため、超選択的TACEに近い効果が得られるとされている。

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