肝線維化, NAFLD, MALFD

自分用まとめ。2023/2/10追記。

①NAFLD

NAFLDは、成人人口の25%いる!そのうち、25%がNASHに進展し、さらにそのうち数%が肝硬変まで進展する。

これだけ有病率が高いということは、健康診断などで脂肪肝を指摘される人も多いということ。

そういった患者さんを前にした場合、まずすべきは、線維化の可能性の評価!

なぜなら、肝臓の線維化は予後(死亡率、肝疾患発症率、HCC発症率)と関連することが、2022年日本人を対象とした研究でも示されたから。Fujii et al. Clin Gastroenterol Hepatol 2022

②肝線維化の指標

(1)FIB-4 index

年齢、AST、ALT、血小板から算出される。基準値1.3未満。

前肝硬変では2.67、肝硬変では3.25という値。

糖尿病患者では、FIB-4 index 2.1以上で肝癌の発症リスクが21倍になる。

(2)M2BPG1

F2以上のおおよその指標が1.02

(3)肝硬度測定

フィブロスキャン、SWEなど

2022年にはMRエラストグラフィが保険適応となった。

③NAFLDの治療

(1)食事療法

10%以上の減量ができれば肝線維化の改善が見込まれる!

果物は体に良いイメージだが、過剰な果糖の摂取は脂肪肝を促進することがわかっているので、摂りすぎには注意。

地中海食(オリーブオイル、旬の野菜、全粒粉のパンやパスタ、魚と豆)は脂肪肝を改善する。

コーヒーは脂肪肝のリスクを減らす。

(2)運動療法

40分/回、3回/週、12週間の運動が望ましい。体重が減っていなくても、脂肪肝は改善している。

(3)薬物療法

 2型糖尿病があれば…ピオグリタゾン、GLP-1アゴニスト、SGLT2阻害薬

 脂質異常症があれば…スタチン

 高血圧があれば…ARB, ACE阻害薬

GLP-1アゴニストについてのエビデンスとしては、NEJM 2021(25) 384(12) 1113-1124で、NASHの改善には有用だが、肝線維化の改善は認められなかったとの結果。

SGLT2阻害薬については、佐賀大を中心とした55例のRCTで、糖尿病合併NAFLDの肝組織所見を改善した。

PPARα(peroxisome proliferator-activated receptor α) は核内受容体の一種。これを肝臓で活性化すると脂肪が燃焼する、また炎症が鎮静化する。NEJM2021にPPARアゴニストがNASH改善に有効と報告された。

選択的PPARαモジュレーターである、ぺマフィブラートとプラセボを比較したRCTで、肝内脂肪量の改善はないが、肝硬度は改善したとの報告がある。

④MAFLD

MAFLDって何?!Metabolic dysfunction associated fatty liver diseaseです。

そもそも、NAFLDを診断する基準は、40年以上前に作られたもので、脂肪肝→ウイルス性肝疾患、自己免疫性肝疾患、Wilson病など他の肝疾患の除外→男性30g/day以上、女性20g/day以上の飲酒なし→NAFLD→肝生検してNASHの診断、となる。

しかし実臨床では、自己免疫性肝炎だけど、NASHの要素もあるでしょ、とか、B肝だけどそれはコントロールがついていて、主にNASHでしょ、とか、そういった症例が多々ある。しかし定義上、AIHやらB肝やらを除外してのNASHという流れなので、AIH+NASH、といった書き方だとおかしなことになってしまう。そこで生まれたのがMAFLDという概念!

2020年に、22か国32名の専門医によるInternational Expert Panelが開催され、新概念としてMAFLDが提唱された。脂肪肝に「肥満(アジア人の場合BMI≧23)」「2型糖尿病」「(アジア人でBMI<23の場合)2種類以上の代謝異常」のいずれかが併存している場合にMAFLDと診断される。

2種類以上の代謝異常とは?

・腹囲 ≧90(アジア人男性)、≧80(アジア人女性)

・血圧 ≧135mmHgもしくは薬物療法中

・血清中性脂肪≧150mg/dlもしくは薬物療法中

・血清HDL-C<40(男性)、50(女性)、もしくは薬物療法中

・耐糖能異常(FBS110-125mg/dl, もしくはOGTT2時間値140-199mg/dl、もしくはHbA1c 5.7-6.4%)

・インスリン抵抗性指数(HOMA-IR)≧2.5

・血清高感度C-reactive protein ≧2mg/dl

こんな人、実にたくさんいる…。

⑤MAFLDの特徴

飲酒量や他の肝疾患と独立している。

MAFLDはNAFLDと比較して有意に肝線維化進展のリスクが高い(Ayadaら、RR4.2: 95%CI 1.3-12.9)。

MAFLDは、大腸腺腫の独立因子。加齢や性別(男性)よりも大腸腺腫に強く関与している!

⑥わかりやすい表!

Group1はNAFLD。Group2は、代謝異常のあるものはMAFLDで、ないものはNAFLD。Group3はMAFLD。そう、あくまでもNAFLDはnon-alcoholicだからね。だから、つまり?今まで代謝異常があって、NAFLDでしょって言いたくなるけど、結構飲酒歴がある人をどう言ったらよいか困っていたのを、MAFDLと言える、ということ?あともう一つは、ウイルス性肝疾患などの要素があっても、MAFLDともいえる、ということね。NAFLDだと、あくまでも他の脂肪肝をきたしうる疾患を除外診断してからの診断ということになるから、他の肝疾患があるとNAFLDと言えなくなってしまうから。

 アルコール30g, 20gというのは…?

純アルコール量(g):お酒の量(mL)×アルコール度数/100×0.8

なので、例えばアルコール度数5度のビールでいくと、30gはビール750ml。20gは500ml。まあ、ざっくりイメージすると、女性で500mlビール1缶以上を毎日飲んでいるかどうか、ってことね。

Group1Group2Group3
代謝異常(-)(+)(+)
中等量以上の飲酒(男性30g/day以上、女性20g/day以上)(-)(-)(+)
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