食道癌内視鏡治療・手術の最近の知見

<内視鏡治療>

①深達度診断

内視鏡的にMM-SM1と診断された病変の30-50%は、病理学的にはEP-LPM癌であった(深読みしてしまっていた)。

通常観察、拡大内視鏡観察にEUSを加えることにより深読み割合が減るかどうかを主要なエンドポイントとしたJCOG1604が2020年11月に観察期間終了し、2021年5月結果が公開された。269名の患者が解析対象となり、結果はEUSを加えることによってむしろ深読み割合が増える(21.6%⇒28.2%へと6.6%増加)するというものであり、EUSの上乗せ効果は否定された。なお、副次エンドポイントの浅読み割合(cSM1以浅としたもののうちpSM2以深であったものの割合)は29.2⇒24.7%と4.5%低下し、浅読みの予防効果は有意にあることが示された。

この試験の結果をもって、今後、食道表在癌の深達度診断としては、通常+拡大内視鏡が推奨される予定。

②ESD後狭窄

 現在JCOG1217(ステロイド局注vsステロイド内服)が進行中であり、今年くらいに結果が出る予定。

<外科手術>

1994年 食道がん手術として胸腔鏡手術が本邦では初めて報告

1999年 ロボット支援手術

2018年 縦隔鏡手術が保険収載

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