膵嚢胞性疾患

<IPMN>

2006年IPMN国際ガイドラインではadenoma→carcinoma in situ→invasive intraductal papillary carcinomaであったのが、2017年GLではlow-grade dysplasia→high-grade dysplasia→invasive IPMCと変わった。HGDまでがbenign IPMN, invasive IPMCがmalignant IPMNとされている。

HGD以降を手術適応とするのか、invasive IPMCのみを手術適応とするのか?HGDのうちに手術をするのがベストではないかというエキスパートの意見もある。

IPMNのEUS-FNAは、日本では播種の危険を重く見て行われていないが、欧米ではハーバード大の研究でFNA175例と非施行68例で術後腹膜播種頻度を比較した後ろ向き研究を根拠に(Yoon et al Endoscopy 2014)行われている。

ERPはルーチンには行わないとされているが、手術適応を決めるのに膵液CEAの測定が有用という報告もある。しかしERPに伴う急性膵炎のリスクはあるので、慎重に判断。

国際GL、ヨーロッパガイドラインで膵切除断端がLGDまでなら膵の追加切除は不要だが、HGD以上であれば膵の追加切除、場合によっては膵全摘となる。術前に膵全摘となる可能性を伝えておく必要がある。

術後補助療法についてはGLには明記されていない。

<MCN>
ほとんどが女性、体尾部
夏みかん状、cst in cyst
20%に石灰化あり
15-20%に主膵管と交通がある
cyst in cystの所見がEUSでしかわからないことがある
病理学的には上皮下を中心に密に増殖する紡錘形細胞の密な増殖がみられ、プロゲステロン、エストロゲン染色で陽性になる
ヨーロッパのGLでは40mm以上が手術適応。2012年の国際ガイドラインではMCNは全例手術適応とされている(2017はIPMNのことのみ)。

<SCN>
microcyst
スポンジ状/蜂巣状
ヨーロッパGLでは術後1年間のみフォローして後はno f/u

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